看護師の派遣が禁止される場所と、できる場所
労働者派遣法は、政令で定める業務について、派遣事業を行ってはならないとしています。政令では、看護師などの業務のうち、次の場所で行われるものが派遣を禁止される業務とされています。労働者派遣法 第4条第1項第3号 ↗同法施行令 第2条 ↗
| 区分 | 場所 | 派遣 |
|---|---|---|
| 禁止される場所 | 病院・診療所(一部の施設の中の診療所を除く)・助産所・オンライン診療の受診施設 | 原則として派遣できない |
| 禁止される場所 | 介護老人保健施設・介護医療院 | 原則として派遣できない |
| 禁止される場所 | 利用者の居宅(訪問看護など。訪問入浴介護などを除く) | 原則として派遣できない |
| 禁止に当たらない場所 | 特別養護老人ホームなどの中に設けられた診療所 | 派遣できる |
| 禁止に当たらない場所 | 上の場所以外(特別養護老人ホーム、病院等に当たらない健診の会場など) | 派遣できる |
省令は、「病院等」から除かれる診療所を挙げています。障害者支援施設、救護施設、養護老人ホーム、特別養護老人ホームなどの中に設けられた診療所です。同法施行規則 第1条第2項 ↗
働く場所が禁止される場所に当たるかは、施設の種類で決まります。求人に書かれた就業の場所の施設の種類を、先に確かめましょう。健診の仕事は健診センターの記事で整理しています。
看護師の派遣が病院でも認められる場合
- 紹介予定派遣:派遣の期間の後に、派遣先に直接雇われることを予定した派遣。派遣の開始前・開始後に職業紹介が行われます。
- 産前産後休業・育児休業・介護休業の代替:休業する職員の業務を代わりに行う派遣。
- へき地:へき地で行われる看護業務などの派遣。
同法施行令 第2条 ↗同法 第2条第4号・第40条の2第1項第4号・第5号 ↗
派遣先は、派遣される人を特定することを目的とする行為(事前の面接など)をしないよう努めることとされています。紹介予定派遣は、この例外です。紹介予定派遣では、派遣先が面接などで人を選ぶことがあります。同法 第26条第6項 ↗
看護師が派遣で働く前の確認票
派遣元(派遣会社)は、派遣をしようとするときに、あらかじめ条件を示すことになっています。派遣であることと、派遣契約で決めた就業の条件などです。同法 第34条 ↗
| 確かめる項目 | 派遣元から示された内容 | 禁止に当たらないか・分からない点 | 確認した日と相手 |
|---|---|---|---|
| 就業の場所(施設の種類) | |||
| 業務の内容 | |||
| 派遣の期間・紹介予定派遣かどうか | |||
| 1日の時間・休日・時間外 | |||
| 賃金(時給・手当) | |||
| 指揮命令者・苦情の窓口 |
照合票・質問例は編集部が作成したものです。職場の実態を示す統計や、条件がかなうことの保証ではありません。未確認の欄をゼロや「なし」で埋めず、回答者・確認日・書面名を残してください。
自分の条件を書き込むときに
この照合票を保存する(表計算用TSV) ↓表計算ソフトで開き、確認結果・未確認の点・回答者と確認日を記入できます。空欄は未確認のまま残してください。患者情報は記入しないでください。
看護師の単発の派遣(30日以内)の条件
日々または30日以内の期間を定めて雇われる人(日雇労働者)の派遣は、原則として禁止されています。単発の派遣で働けるかは、次の2段階で確かめます。同法 第35条の4第1項 ↗
- ①働く場所:病院等・助産所・介護老人保健施設・介護医療院・居宅などでの看護業務は、単発かどうかにかかわらず、派遣が原則禁止です(例外は前の節)。
- ②日雇派遣:①に当たらない場所での看護業務は、日雇派遣が認められる業務に入っています。
②の業務に当たらない仕事でも、人の条件に当たれば日雇派遣が認められます。派遣元が雇用管理に必要な措置を講じていることが前提です。
- 60歳以上の人
- 学生・生徒(定時制の課程などを除く)
- 本人の1年分の収入が500万円以上の人(厚生労働省の説明では、副業として日雇派遣で働く人で、生業の収入で判断)
- 配偶者などの収入で主に生計を維持している人で、世帯の1年分の収入の合計が500万円以上の人(同じく「主たる生計者でない人」)
同法施行令 第4条第2項 ↗同法施行規則 第28条の3 ↗厚生労働省 改正労働者派遣法の説明(日雇派遣の原則禁止) ↗
人の条件に当たっても、①の病院等での看護業務の派遣の禁止は解除されません。
単発の仕事を副業として考えている場合は、副業の記事もあわせて確かめてください。
出典とファクトチェック
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-HAKEN-LAW
- 表・項目
- 第4条(派遣が禁止される業務)、第40条の2第1項第4号・第5号(産前産後・育児休業、介護休業の代替)、第35条の4(日雇労働者についての労働者派遣の禁止)、第2条第1号・第4号(労働者派遣・紹介予定派遣の定義)、第26条第6項(派遣労働者を特定する行為)、第34条(就業条件等の明示)
- 対象
- 法令の適用対象(派遣元・派遣先・派遣労働者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1985-07-05
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和60年法律第88号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の求人・就業場所が派遣の禁止に当たるかを判定しない。実際の可否は許可を受けた派遣元と就業場所で確かめる。公布日は制定時で、条文は改正後の現行版。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-HAKEN-ORDER
- 表・項目
- 第2条第1項(派遣が禁止される医療関係業務と除外)、第4条第1項第19号(日雇派遣が認められる業務としての看護業務)、第4条第2項(日雇派遣が認められる場合)
- 対象
- 法令の適用対象(派遣元・派遣先・派遣労働者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1986-04-03
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和61年政令第95号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の求人・就業場所が派遣の禁止に当たるかを判定しない。実際の可否は許可を受けた派遣元と就業場所で確かめる。公布日は制定時で、条文は改正後の現行版。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-HAKEN-RULE
- 表・項目
- 第1条第2項(令第2条第1項第1号の「病院等」から除かれる診療所)、第28条の3(令第4条第2項第3号の収入の額と額:本人の1年分の収入、または配偶者等の収入で生計を維持する者は本人と生計を一にする配偶者等の収入の合算。額は500万円)
- 対象
- 法令の適用対象(派遣元・派遣先・派遣労働者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1986-04-17
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和61年労働省令第20号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の求人・就業場所が派遣の禁止に当たるかを判定しない。実際の可否は許可を受けた派遣元と就業場所で確かめる。公布日は制定時で、条文は改正後の現行版。
- 厚生労働省「労働者派遣法が改正されました:派遣元事業主・派遣先の皆様(日雇派遣の原則禁止)」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- MHLW-HAKEN-QA-2012
- 表・項目
- 派遣元事業主・派遣先に新たに課される事項 1 日雇派遣の原則禁止(例外[1]政令で定める業務、[2]60歳以上・雇用保険の適用を受けない学生・副業として日雇派遣に従事する人(生業収入500万円以上)・主たる生計者でない人(世帯収入500万円以上))
- 対象
- 派遣元事業主・派遣先(平成24年改正労働者派遣法)
- 対象時点・期間
- 平成24年10月1日施行の改正の説明
- 公表日
- 公式に記載なし(取得日とは別)
- 取得日
- 2026-09-30
- 確認版
- 平成24年改正の説明ページ
- 読み方・制約
- ページに公表日の表示なし。取得日で代用しない。医療関係業務の派遣禁止(令第2条)は別の決まりで、このページの人の例外で解除されない(令第4条第1項第19号・第2項と照合)。
変更記録:2026-09-28 初稿作成(第4回)。派遣できる場所・できない場所と例外は、労働者派遣法・同施行令・同施行規則の条文で確認。確認票は編集部作成。2026-09-29、題名と冒頭(答え・この記事で分かること)を整理し、本文を読みやすくした(長い段落と文を分け、数字の一部を表に、確認票を記事の中ほどへ)。数字・出典の変更なし。2026-09-30、監査に対応:F03 働く場所による派遣の禁止と、日雇派遣の例外(業務・人の条件)を2段階に分け、収入の条件(本人/世帯・500万円)を条文どおりに記載。
