美容クリニックの看護師ができること、してはいけないこと
医師でなければ、医業をしてはならないとされています。主治の医師の指示がない限り、看護師は「医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為」をしてはなりません。看護師が行えるのは、医師の指示のもとでの診療の補助です。医師法 第17条 ↗保健師助産師看護師法 第5条・第37条 ↗
厚生労働省の2025年8月15日の通知は、美容医療を行う病院・診療所での例に触れています。医師の指示がない状況で、看護師だけで医行為をしている例が報告されているとしています。
そのうえで、次のものを違法な例に挙げています。
- 看護師が、医師の指示なく、脱毛行為・いわゆるアートメイク・HIFU施術などの医行為を行うこと
- 看護師が、医学的判断を伴う診察を行うこと
- 看護師が、具体的な治療方法を選んで患者に提案・決定するなど、医学的な判断を行い、それを伝えること
レーザーなどの強い光を毛根に当てて毛乳頭を壊す行為は、医師が行うのでなければ危害が生じるおそれのある行為とされています。機器が医療用かどうかにはかかわりません。医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて 第1 ↗
美容クリニックの看護師の求人で確かめる、医師の体制
同じ通知は、病院・診療所の管理者(医師)は、原則として診療時間中に常勤すべきとしています。長い期間不在で管理者の務めを果たせない場合は、医療法の管理者の義務に違反します。また、カウンセラーなどと呼ばれる資格のない人の説明は、医業に当たらない範囲でなければならないとしています。第1の1・第1の5 ↗
- 施術の日に医師が院内にいるか、指示はどう出されるか(指示書・手順など)
- カウンセリングを誰が担当し、看護師に何を求めるか
- 施術の内容を、看護師が患者にどこまで説明する決まりか
美容クリニックは病院・診療所に当たるので、看護師の派遣は原則として禁止されています。派遣の決まりは派遣の記事で整理しています。労働者派遣法施行令 第2条 ↗
美容クリニックの看護師の求人で確かめる票
| 確かめる項目 | 求人票・説明に書かれていること | 分からない点・確認した日と相手 |
|---|---|---|
| 医師の在院日と、指示の出し方 | ||
| 看護師が担当する施術と、その手順の決まり | ||
| カウンセリングの担当と、看護師に求める説明 | ||
| 固定の給与と歩合(インセンティブ)の内訳 | ||
| 歩合がつかない月の給与 | ||
| 勤務時間・休日・研修 |
照合票・質問例は編集部が作成したものです。職場の実態を示す統計や、条件がかなうことの保証ではありません。未確認の欄をゼロや「なし」で埋めず、回答者・確認日・書面名を残してください。
条件の確認を人に頼みたい場合は、転職エージェントの比較で相談先の違いを整理しています。この記事は、施術の方法や効果を説明するものではありません。
自分の条件を書き込むときに
この照合票を保存する(表計算用TSV) ↓表計算ソフトで開き、確認結果・未確認の点・回答者と確認日を記入できます。空欄は未確認のまま残してください。患者情報は記入しないでください。
美容クリニックの看護師の給与と、歩合の決まり
出来高払いなどの歩合で働く人について、使用者は、労働時間に応じて一定額の賃金を保障しなければなりません。美容クリニックの求人に「インセンティブ」「歩合」がある場合は、固定の給与と歩合の部分を分けます。歩合がつかない月の給与がいくらかを確かめましょう。労働基準法 第27条 ↗
求人票には賃金の額が示されることになっています。固定の部分と、条件によって変わる部分を書面で確かめます。職業安定法施行規則 第4条の2第3項 ↗
クリニック全般の給料の見方はクリニックの給料の記事で比べています。
出典とファクトチェック
- e-Gov 法令検索(所管府省の法令)「医師法」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-ISHI-LAW
- 表・項目
- 第17条
- 対象
- 法令の適用対象
- 対象時点・期間
- 2026-09-29 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1948-07-30
- 取得日
- 2026-09-29
- 確認版
- 昭和23年法律第201号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の事情に当てはまるかを判定しない。公布日は制定時で、条文は取得時点の現行版。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「保健師助産師看護師法」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-HOJOKAN-LAW
- 表・項目
- 第2条(保健師の定義)、第7条(免許)、第19条(保健師国家試験の受験資格)、第29条(名称の使用)、第33条(業務従事者の届出)、第5条・第6条(看護師・准看護師の定義)、第7条第3項、第21条(看護師国家試験の受験資格)、第10条〜第12条(籍と免許の登録)、第28条の2(研修の努力義務)、第37条の2(特定行為研修)、第42条の2(秘密を守る義務)、第37条(特定行為の制限)
- 対象
- 法令の適用対象(事業者・労働者・免許の申請者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1948-07-30
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和23年法律第203号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 公布日は制定時の日付で、取得した条文は改正後の現行版。附則の経過措置(事業場の規模による適用の違いなど)までは記事で扱わない。個別の事業場への当てはめを断定しない。
- 厚生労働省医政局「美容医療に関する取扱いについて(令和7年8月15日 医政発0815第21号)」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- MHLW-BIYOU-2025
- 表・項目
- 記 第1 医師法等の関係法令の解釈について 1(カウンセラー等の無資格者による診断等)・2(看護師等のみによる治療行為等)・5(病院等の管理者の一般的な管理義務違反)
- 対象
- 医師・看護師等と、病院・診療所の開設者・管理者(通知の宛先は都道府県・保健所設置市・特別区)
- 対象時点・期間
- 2025-08-15 発出(2026-09-29 時点で厚生労働省の法令等データベースに掲載)
- 公表日
- 2025-08-15
- 取得日
- 2026-09-29
- 確認版
- 美容医療に関する取扱いについて(令和7年8月15日 医政発0815第21号)
- 読み方・制約
- 行政の通知で、個別の行為が違法かどうかは最終的に裁判所が判断する(通知の注記)。医療行為の方法を助言するものではない。
- 厚生労働省医政局「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日 医政医発第105号)」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- MHLW-DATSUMO-2001
- 表・項目
- 記 第1 脱毛行為等に対する医師法の適用
- 対象
- 医師・看護師等と、病院・診療所の開設者・管理者(通知の宛先は都道府県・保健所設置市・特別区)
- 対象時点・期間
- 2001-11-08 発出(2026-09-29 時点で厚生労働省の法令等データベースに掲載)
- 公表日
- 2001-11-08
- 取得日
- 2026-09-29
- 確認版
- 医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(平成13年11月8日 医政医発第105号)
- 読み方・制約
- 行政の通知で、個別の行為が違法かどうかは最終的に裁判所が判断する(通知の注記)。医療行為の方法を助言するものではない。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働基準法」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-ROUKI-LAW
- 表・項目
- 第37条第4項(深夜の割増賃金)、第66条第3項(妊産婦の深夜業)、第22条(退職時等の証明)・第39条(年次有給休暇)・第89条(就業規則の作成及び届出の義務)、第24条(賃金の支払)、第38条(時間計算)、第27条(出来高払制の保障給)、第32条(労働時間)・第36条(時間外及び休日の労働)・第37条第1項(時間外・休日の割増賃金)
- 対象
- 法令の適用対象(事業主・労働者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-28 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1947-04-07
- 取得日
- 2026-09-28
- 確認版
- 昭和22年法律第49号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の職場・個人に当てはまるかを判定しない。公布日は制定時で、条文は取得時点の現行版。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-HAKEN-ORDER
- 表・項目
- 第2条第1項(派遣が禁止される医療関係業務と除外)、第4条第1項第19号(日雇派遣が認められる業務としての看護業務)、第4条第2項(日雇派遣が認められる場合)
- 対象
- 法令の適用対象(派遣元・派遣先・派遣労働者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1986-04-03
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和61年政令第95号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の求人・就業場所が派遣の禁止に当たるかを判定しない。実際の可否は許可を受けた派遣元と就業場所で確かめる。公布日は制定時で、条文は改正後の現行版。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「職業安定法施行規則」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-SHOKUAN-RULE
- 表・項目
- 第24条の5(法第32条の13の明示事項・方法・情報提供)、第4条の2(法第5条の3に関する事項)
- 対象
- 法令の適用対象(有料職業紹介事業者・求人者・求職者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1947-12-29
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和22年労働省令第12号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の事業者が義務を守っているかを判定しない。公布日は制定時で、条文は取得時点の現行版。
変更記録:2026-09-29 初稿作成(第5回)。看護師ができること・できないことは、医師法・保健師助産師看護師法の条文と、厚生労働省の通知(令和7年8月15日 医政発0815第21号、平成13年11月8日 医政医発第105号)で確認。給与の歩合と派遣の決まりは法令の条文で確認。確認票は編集部作成。施術の方法は扱っていません。2026-09-29、題名と冒頭(答え・この記事で分かること)を整理し、本文を読みやすくした(長い段落と文を分け、数字の一部を表に、確認票を記事の中ほどへ)。数字・出典の変更なし。
