看護師が夜勤を辞めたいとき、仕事を辞めるのか夜勤を変えるのかを分ける
- 夜勤の回数を減らしたい。
- 夜勤の長さや、勤務と勤務の間の時間を変えたい。
- 夜勤明けや連続夜勤の後の休みを確保したい。
- 夜勤のない部署や働き方に移りたい。
- 看護の仕事ごと、今の職場を離れたい。
どれに近いかで、相談する相手と使える制度が変わります。夜勤を変えれば続けられそうなら、まず職場で勤務の組み方を相談できます。
体調に不安があるときは、自己判断せず医師や職場の産業医などに相談してください。この記事は体調への対処を助言するものではありません。
看護師が夜勤を辞めたい理由を、勤務編成の基準で確かめる
日本看護協会は、夜勤・交代制勤務による健康・安全・生活への影響を少なくするため、「勤務編成の基準」を提案しています。休憩と仮眠、夜勤の回数と連続、勤務の間隔と拘束時間、夜勤後の休息、休日、早出の時刻、交代の順序を扱う11項目です。
法律の基準ではなく職能団体の提案で、11項目を一度にすべて満たさなければならないものではないとしています。夜勤専従・日勤専従や、当直・オンコールは想定していません。看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン 勤務編成の基準 ↗
項目ごとの基準の数値と説明は、ガイドラインの本文(冊子34〜35頁)で確かめてください。この記事では基準を書き写さず、次の節で、困っている場面ごとに勤務表で数えることを整理します。
ガイドラインは平成25年2月の版です。基準を下回っていても、それだけで職場の違法を意味するものではありません。
看護師が夜勤を辞めたい前に、先月の勤務表で数える票
困っている場面ごとに、先月の勤務表で数えることを整理しました。数えた結果を、ガイドラインの該当する項目と見比べてください。
| 困っている場面 | 先月の勤務表で数えること | 見比べる基準の項目 | 数えた結果 |
|---|---|---|---|
| 夜勤明けから次の勤務までが短く、休めない | 夜勤明けから次の勤務の始まりまでの時間。短かった回数 | 夜勤後の休息・勤務の間隔 | |
| 夜勤が続いて、疲れが抜けない | 月の夜勤の回数と、続けて入った夜勤の回数 | 夜勤回数・夜勤の連続 | |
| 1回の勤務が長く、次の勤務までが短い | 勤務の始まりから終わりまでの時間と、次の勤務までの時間 | 拘束時間・勤務の間隔 | |
| 夜勤中に休めない | 実際に取れた休憩と仮眠の時間。取れなかった回数 | 休憩・仮眠 | |
| 休みが続かず、週末も休めない | 続けて勤務した日数と、土日を夜勤なしで休めた回数 | 連続勤務日数・週末の休日 | |
| 始業が早い、勤務の並びがきつい | 早出の始業の時刻と、どの勤務の次に何が来るか | 早出の始業・交代の方向 |
照合票・質問例は編集部が作成したものです。職場の実態を示す統計や、条件がかなうことの保証ではありません。未確認の欄をゼロや「なし」で埋めず、回答者・確認日・書面名を残してください。
数えた結果のうち、自分にとって一番負担になっている場面を1つか2つ選びます。「どう変えてほしいか」を書き添えると、職場で相談しやすくなります。
自分の条件を書き込むときに
この照合票を保存する(表計算用TSV) ↓表計算ソフトで開き、確認結果・未確認の点・回答者と確認日を記入できます。空欄は未確認のまま残してください。患者情報は記入しないでください。
看護師が夜勤を辞めたいとき、法律で夜勤を制限できる場合
| 場合 | 条文 | 条件・手続 |
|---|---|---|
| 妊娠中・産後1年以内 | 労働基準法 第66条第3項 | 本人が請求すれば、深夜業をさせてはならない |
| 小学校入学前の子を育てている | 育児・介護休業法 第19条 | 請求すれば、午後10時から午前5時の労働をさせてはならない。1か月以上6か月以内の期間を決め、始める日の1か月前までに請求する。雇われて1年未満の人や、深夜に子を常に保育できる同居の家族がいる人などは対象外。事業の正常な運営を妨げる場合は除かれる |
| 要介護状態の家族を介護している | 育児・介護休業法 第20条 | 子の場合と同じ仕組みで請求できる |
表の出典厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働基準法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049(取得日 2026-09-28)厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」 https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000076(取得日 2026-09-28)労働基準法 第66条第3項 ↗育児・介護休業法 第19条・第20条 ↗
夜勤を続けている間も、健康診断の決まりがあります。深夜業を含む業務に常に就いている人には、配置替えの際と6か月以内ごとに1回、健康診断が行われます。
深夜業に就く人が自分で受けた健康診断の結果を、事業者に提出できる仕組みもあります。午後10時から午前5時の労働には、割増賃金が支払われます。労働安全衛生規則 第45条・第13条第1項第3号ヌ ↗労働安全衛生法 第66条の2 ↗労働基準法 第37条第4項 ↗
条文の読み方を示す表で、あなたが対象に当たるかを判定するものではありません。請求の方法は就業規則と職場の担当者に確かめてください。
看護師が夜勤を辞めたいときの相談先と、夜勤なしの働き方
勤務の組み方は、まず看護師長や看護部など職場の担当者に相談します。日本看護協会の「ナースのはたらく時間」の相談窓口では、勤務時間に関する相談を受け、情報提供や窓口の紹介をしています。個別の事案を調べて判断する権限はないとしています。日本看護協会:ナースのはたらく時間・相談窓口 ↗
職場で相談しにくい、説明に納得できない場合は、厚生労働省の総合労働相談コーナーで労働問題を相談できます。厚生労働省:総合労働相談コーナーのご案内 ↗
夜勤のない働き方に移る場合は、年収がどう変わるかを先に試算しておきましょう。夜勤なしの年収の記事で、明細と提示条件を同じ期間でそろえる方法を紹介しています。応募の進め方はエージェントを使わない方法の記事も参考になります。
出典とファクトチェック
- 公益社団法人日本看護協会「看護職の夜勤・交代制勤務に関するガイドライン」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- JNA-YAKIN-GUIDELINE-2013
- 表・項目
- 第4章 Ⅲ A 勤務編成の基準(11項目)と本基準の特徴(冊子34〜35頁/PDF19頁(見開き))、基準10の解説
- 対象
- 夜勤を含む交代制勤務を行う看護職(夜勤専従・日勤専従、当直・オンコールは想定外)
- 対象時点・期間
- 平成25年2月発行の版(2026-09-28 に掲載ページから取得)
- 公表日
- 2013-02
- 取得日
- 2026-09-28
- 確認版
- 平成25年2月(掲載ページは全体版として掲出)
- 読み方・制約
- 日本看護協会の提案で、法令の基準ではない。平成25年の版で、その後の見直しの有無は掲載ページで確認する。調査の数値(平均夜勤回数など)は記事で使わない。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-IKUKAI-LAW
- 表・項目
- 第19条(育児のための深夜業の制限)、第20条(家族介護のための深夜業の制限)
- 対象
- 法令の適用対象(事業主・労働者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-28 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1991-05-15
- 取得日
- 2026-09-28
- 確認版
- 平成3年法律第76号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の職場・個人に当てはまるかを判定しない。公布日は制定時で、条文は取得時点の現行版。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働基準法」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-ROUKI-LAW
- 表・項目
- 第37条第4項(深夜の割増賃金)、第66条第3項(妊産婦の深夜業)、第22条(退職時等の証明)・第39条(年次有給休暇)・第89条(就業規則の作成及び届出の義務)、第24条(賃金の支払)、第38条(時間計算)、第27条(出来高払制の保障給)、第32条(労働時間)・第36条(時間外及び休日の労働)・第37条第1項(時間外・休日の割増賃金)
- 対象
- 法令の適用対象(事業主・労働者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-28 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1947-04-07
- 取得日
- 2026-09-28
- 確認版
- 昭和22年法律第49号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 条文の読み方を示すもので、個別の職場・個人に当てはまるかを判定しない。公布日は制定時で、条文は取得時点の現行版。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働安全衛生法」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-ANZEN-LAW
- 表・項目
- 第13条(産業医)、第13条の2(産業医の選任義務のない事業場の健康管理)、第66条の7(保健指導)、第66条の10(心理的な負担の程度を把握するための検査)、第66条(健康診断)、第66条の2(自発的健康診断の結果の提出)、第12条(衛生管理者)・第66条の4(医師等からの意見聴取)・第66条の7(保健指導)・第66条の8(面接指導)
- 対象
- 法令の適用対象(事業者・労働者・免許の申請者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1972-06-08
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和47年法律第57号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 公布日は制定時の日付で、取得した条文は改正後の現行版。附則の経過措置(事業場の規模による適用の違いなど)までは記事で扱わない。個別の事業場への当てはめを断定しない。
- 厚生労働省(法令本文は e-Gov 法令検索)「労働安全衛生規則」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- EGOV-ANZEN-RULE
- 表・項目
- 第15条の2(法第13条の2の省令で定める者)、第52条の10(検査の実施者)、第13条第1項第3号ヌ(深夜業を含む業務)、第45条(特定業務従事者の健康診断)、第10条(衛生管理者の資格)・第62条と別表第四(免許を受けることができる者)
- 対象
- 法令の適用対象(事業者・労働者・免許の申請者)
- 対象時点・期間
- 2026-09-27 時点の現行条文(e-Gov 法令API で取得)
- 公表日
- 1972-09-30
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 昭和47年労働省令第32号(公布日は制定時。条文は取得時点の現行版)
- 読み方・制約
- 公布日は制定時の日付で、取得した条文は改正後の現行版。附則の経過措置(事業場の規模による適用の違いなど)までは記事で扱わない。個別の事業場への当てはめを断定しない。
- 日本看護協会「ナースのはたらく時間・相談窓口」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- JNA-WORKTIME-CONSULT
- 表・項目
- 相談対象、情報提供、窓口紹介、権限
- 対象
- 看護職・看護管理者
- 対象時点・期間
- 取得時点の案内
- 公表日
- 公式に記載なし(取得日とは別)
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 取得時点の案内
- 読み方・制約
- 個別事案の調査・判断権限はない。相談により是正や解決が保証されるとはしない。
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 ↗
資料の対象・日付を確認
- 台帳ID
- MHLW-LABOUR-CONSULT
- 表・項目
- 相談範囲、担当部署への取次ぎ
- 対象
- 労働者・事業主等
- 対象時点・期間
- 取得時点の案内
- 公表日
- 公式に記載なし(取得日とは別)
- 取得日
- 2026-09-27
- 確認版
- 取得時点の案内
- 読み方・制約
- 総合相談の受付と、違反疑いを扱う担当部署の権限を区別する。
変更記録:2026-09-28 初稿作成(第2回)。勤務編成の基準は日本看護協会のガイドラインの本文、法律は e-Gov の条文で確認。確認票は編集部作成。2026-09-29、題名と冒頭(答え・この記事で分かること)を整理し、本文を読みやすくした(長い段落と文を分け、数字の一部を表に、確認票を記事の中ほどへ)。数字・出典の変更なし。2026-09-30、監査に対応:F12 勤務編成の基準11項目の表と確認票の再掲をやめ、困っている場面ごとに勤務表で数える票に組み直し、基準の原文は資料へ案内。
